かーびぃのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

夢のかけらなんてそこらへんに転がっているんだから拾っていけば人間ひとりぶんにはなるんじゃねえの

 どうもかーびぃです。なんとか戦利品を読み終わったよ。

 惜しくも選外になってしまった、残りの2冊について、それぞれコメントしていきます。ちなみに、残りについては前の記事にまとめてあるよ。そしてこの次の記事から今回の上位へのコメントですよ。よろしくお願いします。

 

 ちなみに、方向転換しまして、上位に入ったものについては、その評点と詳細も公開することにしました。特に理由はないです。

 

 「15才」著:ペンシルビバップ(ペンシルビバップ

 先回でも紹介した、ペンシルビバップの今回における新刊である。記念すべき15冊目の合同誌ということで、テーマもそれに即した内容になったというわけだ。15才、日本でいえば中学三年生ということで、予想通りそこに絡めて青春物語を何らかの形で展開させつつも、根幹となるストーリーはほかの部分に置かれているタイプのものが多かったように感じる。つまり、さては、皆さん真正面から青春してなかったな?と勘ぐってしまいたくなるが、そもそも文芸誌即売会で真正面から青春している人間がいたら見てみたいものであるし、彼こそが「ごうがふかいな2016大賞」に他ならないだろう。

 全体的な印象としては、先日の「終末」同様、比較的雑味の少ない、それゆえに濃いめの合同誌になったように思われるが、その中でもとりわけ面白いと思ったのが、アオイヤツさんの「青空の元で服を脱ぎ捨て僕らは歌う声高らかに」で、他にはないリアルな15才のコミカル感をすごく出し切っているのが好きだった。リアル感では、ゲストライターの青山さんやぼくの推しである綿貫さんも引けを取らないのだが、どちらも長回し的な、遠距離の視点から15才というものをとらえているのに対し、まさに15才の瞬間、といった瞬発力が非常に躍動感と臨場感のある画を可能にしているという点で、「青空(攻略)」は素晴らしいと思う。

 15才という微妙な年齢のみずみずしさって、ともすれば劇的に描かれがちだけれど、案外地味だったりするんだよなあ。

 

 「ISM」著:木の葉スケッチ(木の葉スケッチ)

 こちらも、先回紹介した木の葉スケッチの、今回における合同誌での新刊である。転枝さんを含む5名によって綴られた短編が収められている。巻頭は転枝さんによる新宿OL同棲恋物語的なもうなんかかーびぃを一撃で殺す気満々のすごいやつだったのだが、これがまたいつもながら丁寧な描写で読むのにとんでもなく精神を費やした。これのせいで1日がつぶれた。

 また、その次の七氏野さんは、やはり世にも奇妙な物語を彷彿とさせる語り口と展開で、不気味さと寓話性が面白かった。ただオチとしてはちょっと弱いような気もしなくもないけれど。それ以外の方の作だと、カランさんの「千秋楽とスピンオフ」がとても美しかった。虚構の上に虚構を塗り固めていくような、ある種曼荼羅のような不思議な世界観で、その中でヒロインがただひとり激情(おそらく、劇場とかけているのか?とくだらないことを考えた)を発散させ、文字通り生きていくという構図。不気味な人工的な世界にある、地続きの何か。ぼくには到底言語化できないよくわからない何かが、埋め込まれている作品である。

 

 とまあ、こんな感じだろうか。

 というわけで、次からは1本ずつ、3位から紹介していきたいと思います。