かーびぃのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

ごうがふかいなが理解できなきゃそれでもいいんだそのほうが幸せなのだから

 どうもかーびぃです。

 後輩たちの追い出しコンパに出かけた帰り、品川駅で鬼ごっこをしてたとかなんとかで(非公式情報)東京行き最終列車が足止めをくらい、武蔵小杉駅で小一時間待たされ、当然東京駅に着いたときにはほかの列車はない時間なのでそこから歩いて帰宅するというハードプレイをかました。ゆうに20キロはあったんじゃないかと思う。気が付いたら朝になっていたし膝ががくがくで、これは1万数千円払ってでもタクシーを呼ぶか、始発が出るまでどこかで粘っていたほうがよかったような気もするが仕方がない。千葉県葛南地域某所にある自宅に着いた頃には疲労困憊だった。

 

 そんなことはともかく、ようやく、文フリ京都シーズンの同人誌の評点が出そろったので、随時批評をしていきたいと思う。

 まずは、惜しくも選外になってしまったが、一応全部読むことができたものに関して、ほぼ感想にちかい思ったことを簡潔に。

 

「姫君の匣」著:Wilhelmina(Wilhelmina)

 ふと文フリのカタログを読んでいるときに、お姫様アンソロジーということで気になったので手に取った品物である。4編の「お姫様」を主題とする小説からなるアンソロジー形式。どの作品もすべて非常に個性的であり、「お姫様」がどのようなものであるのかという概念から、そのイメージまで事細やかに記されており煌びやかなで繊細な描写から物語を緻密に組みあげていくようなものばかりで、非常にクオリティの高いものであった。中でも装丁が素敵であるし、中東・現代・中世前半の日本・古代朝鮮という4種の舞台分けというのがなかなかに見事で、その中で描かれる「お姫様」とその位置づけもすべて均等に異なっているところが作品集として非常にバランスの取れている部分で、合同誌はかくあるべきなのだろう、という理想形のひとつのように感じられた。

 高評点ではあるが、今回の上位争いは苛烈を極めていたため惜しくも選外となってしまった。また機会があれば別のものも読んでみたいと思った。

 

大好きなxxxxx(上)著:霧野綾月(Fake’)

 こちらも文フリのカタログを読んでいるときに「竜と少女の話」みたいなワードが飛び込んできたので寄ってみたら、なんとそれだけが置かれており、また装丁も素朴な印象があったので思わず衝動買いしたものである。カタログの文面って意外と大事なのだと思った次第だ。

 物語は上部分で、まだまだ山場にも差し掛かっていないようなものだったのだが、要はボーイミーツガールならぬガールミーツドラゴンである。学校からも家族からも孤立してしまった少女は、ふとひょんなことから謎の存在と会話できるようになり、それが竜だったというような内容。そこからどう進展していくのかが下巻、あるいは中巻に続いているのだろう。

 舞台は中世ヨーロッパ的な雰囲気を纏うある種の異世界、といったところだろう。主人公の少女が目にするものに関する描写が非常に柔らかく、かつ自然なので読みやすく、イメージがしやすい。特に本では終盤部分になるのだが、都会の学校に通い食堂で朝食を食べる主人公の場面の進行と描写が非常に自然で、これはとても真似をしたいというか、こういう流れをやってみたいと思わせるような見事な文体になっている。

 実は前述の「姫君の匣」と同点の高評点だったが、やはり苛烈な上位争いに耐えられず惜しくも選外となった。続編を読みたい。あと食事のシーンもっと読みたい。

 

「SELECT」著:本田そこ(そこそこ)

 本ブログでもなんどか取り上げている本田そこ氏の新刊。タイトル通り「選択」についての青春小説とでも言うべき中編が収録されている。3人の男女の交錯する思考と感情が、徐々に過去から未来へと向けられていくさまはとてもすがすがしく、そこ氏自身が持つ素朴な文体も相まって後半に爆発的なカタルシスを生み出している。シンプルであるがゆえに美しい。この本もその部類に入ると思われる。

 前述同様、前シーズンでは各個批評の域に達していてもおかしくない評点であったが、今回のレベルが非常に高く上位からは外れてしまった。

 

 全部は読めなかった(1本断念したのがあった)のだが、改めて文フリ京都の質の高さを思い知った。実は、読み終わったものに関して言えば、今シーズンはすべて60点を超えている高評点グループで(前回は3位が60点以下だった)、非常に完成度と力のある本ばかりが並んでいたのだろうと容易に推察できる。

 

 以降、3位から順にご紹介していこうと思う。