かーびぃのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

神はその目を見つめることが出来るものの前にだけ悠然と姿をあらわす

 どうもかーびぃです。連日体力を削って生きています。原稿が進まない。

 

 バズマザーズというバンドをご存じだろうか。尖った音型、まくしたてられるような攻撃的な歌詞とボーカルが特徴的なのだが、その割に緩やかで楽しそうな曲も同じだけあるという不思議なバンドだがPVはだいたい攻めている。

 確か少し前にマネージャーが金をもって夜逃げしたみたいな騒動があったと思うのだが、その時に聞いてこれはと思ってからなんとなく曲が頭の中に残っている。

 中でも、比較的最近発表された「スクールカースト」は、バズマザーズの持ち味である吐き捨てるような口の悪さと、それでいて対極にあると思われる暖かさを併せ持った歌詞とサウンドが、どちらかに偏った印象をもっていたぼくにとっては非常に新鮮で、それなのにいかにもバズマザーズという感じがして不思議だった。尖りすぎると安定するのだ。

 

「かわいい女の子は私の小説なんて読まない」著:小町 紗良(少女こなごな)

(通読性:18、宇宙感:19、残響感:17、嗜好:7、闇度:S、合計:71点)

 まさかこの本が3位になるとは、評点をつけた時点では思わなかった。間違いなくこの本がぶっちぎり1位で、「クイーン・オブ・ごうがふかいな」というキャッチフレーズと上記のマクラを考えていたわけなのだが、その妄想は脆く崩れた。70点超えが4作(首位から4位まで70点台)というインフレでも起きたのかと思うばかりの恐ろしい激戦のなか、かろうじて上位であったことに安堵もしている。

 などという裏事情はともかくとして。

 先述したように、この短編集には「ごうがふかいな」がつまりに詰まっている。ぎっちぎちという感じだ。尖りに尖りすぎて、ウニのようにかえって丸くなってしまっているような、とにかくもうこの世のアレが少女小説というフォーマットに中性子のごとく詰め込まれている。書いてて発狂しないのだろうかと思うくらいの密度だ。ぼくなら発狂するけど。とにかくすごい。すごいとしか言えない。語彙力とかそういう問題じゃなく、この作品を形容するに足る表現をぼくは知らないし、たぶん知ることはないのだろうと思う。薄っぺらなフォーマットに無限の宇宙が収められているという点では、テキレボ5シーズン首位を獲得した「最深の心悸の宇宙の続き」(酒井衣芙紀)と少し構造が似ている。ただこちらは無表情で上空から爆撃しているようなイメージだ。ワードひとつひとつの攻撃性もさることながら、それを結集させたセンテンス自体も非常に攻撃力が高い。そしてそれを正確に形容できる言葉がたぶん日本語にない。あったとして発音できない。そんな感じだ。

 巻頭の「初恋葬送篇」が引き込みとして信じられないくらい強い。合同誌に先鋒担当、すなわち巻頭を得意とするタイプがいるが、この作者もそのタイプだろう、というくらいに引きがうまい。最初のパラグラフを音読してほしい。一見ベタな語呂に込められた情報量と新奇性がすごい。さっきからすごいとしか言ってないが本当に「すごい」もしくは「ごうがふかいな」しか言えないのだ。それほどまでに、すがすがしいくらいにすごいごうがふかいななのだ。たぶんかーびぃ氏が一生をかけたとしてもこの「ごうがふかいな」を作り出すことは出来ないのではないかと思う。語彙力が劇的に落ちている。

 個人的には、3作目の「メアリー」と表題作が好きだ。「メアリー」はこう、童貞の青春(ダークサイドモード)みたいなボディを持ちながら、フレーバーはしっかり少女っていう、もうド直球に「ごうがふかいな」であるわけで、短い中でキレがすごい。キレがすごいんぢゃ。そして「かわいい女の子は私の小説なんて読まない」も、ぶつかる人手当たり次第にアイスピックをぶっ刺していく感じがたまらなく好きで、いつのまにかそれなりに年を取ってしまい言えなくなってしまったことをなぜか勝手に代弁されてしまっている!!!!みたいな出展不明の吐き出し口不明、感情の作成先のパスが見つかりませんみたいなそんなアプリケーションエラーを起こしかけるくらいには愉快ですかっとする。

 ここまで読んでくださった方は判ると思うのだが、この本、少女感を前面に押し出した「ごうがふかいなの盛り合わせ」みたいな感じで、これがぼくのなかで作者の小町氏を勝手に「クイーン・オブ・ごうがふかいな」にしてしまっているゆえんである。「ごうがふかいな」はみんなの心の中にあるものだが、かーびぃ氏の中での「ごうがふかいな」は一体どんなものなのか、その答えのひとつがここにある。

 

 てなわけで、終始IQが低い語りに徹してしまい非常に申し訳ない。でもすごい本にはすごいとしか言えないのと同じように、ごうがふかいなな本にはごうがふかいなしか言えないじゃないですか、そういうことですよ!!!!!!!!!!!!!

 

風呂入ったら2位も書く。たぶん。