おもちくんのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

長い長いみちのりを歩いてもその先に何があるのかはわからない

 

 どうもかーびぃです。

 

 文フリ大阪まであと2日となりましたが、まだまだあまぶんシーズンが終わりません。30作品以上買ってるし、そうすると文フリ東京の倍あるわけでまあしゃあないんですが、にしたってようやくのこりが10を切ったかなという感じで、なんとか後半戦に入ってきたのかなと。

 

 というわけで、今回も選外まとめ。その4になると思うのですが。今回は評点なしで。

 

「真夜中のころ」著:高梨來(午前三時の音楽)

 いやーもうすごいよかった。ド直球恋愛小説で一撃で死にましたよほんと。來さんにリアルで遭遇した感じがものすごく出ているという意味で非常にごうがふかいなの強い作品だったと思います。72の壁をぶち抜いてきているあたり、他のシーズンであれば余裕でトップだったと思われるが激戦極まりないあまぶんシーズンでは選外に。というかほんとこんな作品があまぶんには多すぎるんです。他のシーズンがくすむレベルの強い作品ばかり。

 BLではないんですけど、だからこそそれ以上になんだかリアルで、あたたかくて、主人公がとてもかわいいなあとか思いました。

 

「50/50」著:土佐岡マキ(眠る樹海堂)

 ミステリ風のゲーム理論極めました異能バトルみたいな感じのやつ。いや説明になってないが。緊迫した風景とオチの対比が面白いなあとは思いつつも、かーびぃ氏の悪い癖でこういった作品の全体構造はわりとすぐ勘づいてしまい、おそらく後でひろわなくてはならないことばとかもすぐに拾ってしまう悪癖のせいであんまりこう入っていけなかったし、それがジャンル不利を引いている可能性はかなりあるんですけど、でも面白いです。この探偵コンビの構成が非常に素敵。シリーズものならちょっと気になるなあ。

 

エフェメラのさかな」著:凪野基(灰青)

 これ、ほんとすごい。めちゃくちゃ完成度の高い短編集です。海と人魚にまつわる短編集なんですけど、どの話も切なくて、どこか官能的。そして出てくるキャラクターの魅力がすごい。凪野さんは「ヴェイパートレイル」でテキレボ5シーズン3位になってるんですけど、この人の魅力はとにかく小説全体がものすごく緻密に作られていて、歯車とゼンマイで出来た、寸分たがわぬ動きをするからくり人形のようで、読んでいて本当に強い力を感じました。もっとも何がすごいってこの作品実は75点なんですよ。でも選外ってなんじゃそれでしょ。コンセプト短編集としてのクオリティでいえば激戦のあまぶんシーズン登場作の中でもトップになるのではないかな、と思います。それくらい緻密で、短編のひとつひとつはもちろん、その中の一文一文にまできっちりと作り込みがなされた作品です。もはや職人。

 

「ポエムの墓」著:にゃんしー(おとそ大学パブリッシング)

 まずインパクト。この作品にはもう文体からなにからなにまでぜんぶポエムがすごいです。詩っていうよりかはやっぱポエムなんです。感情から現状から人間からなにからなにまで、最終的にはポストアポカリプスみたいな様相を呈していても作品の根底にはポエムが眠っていて、それがずっとバンドのベースみたいに延々と静かに主張し続けているっていう。めちゃくちゃな演奏をつづけていようと、にゃんしー氏がにゃんしー氏たらしめているその要素がポエム、っていう感じの純文学。いやほんと好き。これ好きですわ。エフェメラとは全然別の方向で、これはもう誰にもまねできないセンスみたいなやつです。さすが尼崎の文学モンスターことにゃんしー氏ですよ。え、なぜエフェメラと比べたかって?おなじ75点だからに決まってるでしょ。

 

「海のとなり」著:古月玲(サテライト!)

 海を題材にしたもの、ぼく結構買いあさっちゃってるんですけど、これも「永遠まで、あと5秒」(文フリ東京シーズン首位)の古月氏によるもので、その文体は非常に澄み切った清浄な世界が広がっている。わずかなページ数に収められた掌編たちは、どれもこれも人間の生ぬるさから離れて描かれたもののような気がしてならない。すごく美しく、どこまでも心地の良い無機質な冷たさが支配する世界に深く深く没入できます。

 

 ということで、以上5冊。

 ほんと、どれもこれも美しいし、信じられないくらいすごい作品ばかりで、本当に語彙力を失いまくっている。今上位となっているものたちなんか、ぼくは果たして記事にして語ることが出来るのか不安なくらいだ。

 だが、まだまだ有力な書き手は残っている。番狂わせも十分に起きるかもしれない。