おもちくんのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

しょんぼりぼりぼりボリビア

 どうもかーびぃです。

 文学フリマ東京を終え、2018ステージ(ごうがふかいなHDグループでは会計年度を「ステージ」と呼称する)に入ったわけであるが、まだまだ2017ステージのシーズンレースは続いている。

 ここで、はなけっとシーズンが完了したので、選外まとめをのせていきたい。

 

「NAMELESS」著:砂原藍(暁を往く鳥)

 やわらかさともどかしさ、そういったものに包まれた5篇の短編集。掌編、といったほうがいいかもしれない。この世界のどこかに存在するありふれた人々の生活の機微、青春の片隅、といったものが非常に鮮明に、的確に描写されているところがおもしろポイント。まさに、タイトルの通り「名もない」時間を切り取っているような雰囲気がほんわりとしていて、それでいてどこか、あるはずもなかった青春時代への回顧みたいな感情がどこかに湧き上がる。

 若き日の追体験をしたいひとにおすすめ。

 

「六花 ~ローカル食アンソロジー東北編~」著:砂原藍ほか5名(暁を往く鳥)

 文フリ岩手で買い損ねた作品。東北の郷土食について、各県1人ずつ寄稿されているテーマ合同。お題となっている郷土食を絡める技術や、その裏にあるその土地ならではの文化や歴史などが垣間見えるような短編ばかりでとてもよかった。ぼくも千葉県食アンソロジーをやってみたいと思うが市町村ごとの担当なんてやりだしたらキリがないし空アンソロもびっくりの分厚さになってしまいそうだ(集まればの話だが)。

 ただ、少しばかり装丁、組版が気になった。各作者間で行間と字間が調節されておらず、文字のスペースがまちまちで少し読みにくい。合同誌にはこういった難しさもある。コンテンツにも気をかけながら、そのコンテンツを見せるためのフォーマットやパッケージについても気を配っていかなければよい合同誌にならない。納期の関係も相まって、それは非常にシビアな戦いでもある。だからこそ、本当に良質な合同誌を連続して出し続けられているサークルは本当に尊敬の念を抱かざるを得ないのだ。

 続編を出すとのことなので期待。

 

「短編小説(あと、ミリタリー)が好きな奴は吹奏楽コンクール課題曲を聴こう!」著:ジンボー・キンジ(一人の会)

 熱量ははなけっとシーズンはおろかここまでの2017ステージ全体でも上位に位置することになるであろう、ジンポー・キンジ氏(文フリ岩手シーズン1位の覇者)の吹奏楽コンクール課題曲についての解説本。コピー中綴じ本であるが、内容は恐ろしく濃い。しかも恐ろしいことに、ジンポー氏のもつ軽妙・軽快な文体が凶悪なまでにするりと読ませてしまうというのがなかなかに憎い。氏の代表作ともいえる短編集「初期微動継続時間」の風貌を見せず、ここまで饒舌に、わかりやすく吹奏楽コンクール課題曲についての解説がまとめられているとは思わず、読むなりびっくりしてしまった。

 吹奏楽、ぼくには縁がなかった世界だけれど、なるほど面白いなあと思わされた。

 

 ということで、はなけっとシーズンで手に入れたもののうち、惜しくも選外になった3作品についての感想でした。

 次から1つずつ記事にしていくのだが、はたして。