おもちくんのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

それはたとえば何かに似ているけれどもそれに形容はできなくて

 

 どうもかーびぃです。

 

 ということで、ようやくテキレボ6シーズン参加作品すべてを読み終わったので、ここに最後の選外まとめを書いておきたい。

 

「暁天の双星」著:泡野 瑤子(Our York Bar)

 オリエンタルファンタジー。時代物の流れを取り入れている。序文はテキレボ6の公式アンソロジーに掲載されていたが、圧倒的な掴みの強さがあったのでそのまま新刊となって出たこの作品を買ってしまった。語られている歴史と真の歴史は異なるのだ、という歴史学の教授ターミ・ポアットの言葉から始まるあたりが、なんというか「ファイナルファンタジータクティクス」を彷彿とさせる感じがしていて個人的にはわくわくしていた。骨太な物語を比較的コンパクトに収めてきているというところが個人的つよいポイント。

 

「Cis1 冒険は授業のあとで」著:新島みのる(ひとひら、さらり)

 ジュブナイルファンタジーとしてはかなり完成されている作品じゃないかなあと思う。ひとりの少女がほぼ異世界と同じくらい非常に遠くに飛ばされ、「スーパーチャレンジャー」という勇者的な役割を与えられ、同じ役割を与えられた少年少女と奮闘する物語、そのステージ1、といった感じ。序章の日常が非常にコントラストが強く出ている。どことなく宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」を思わせるような構成。この物語はCis2、さらにその先へと続いているようで、そのCis2は「みんなのごうがふかいな展」参加作品であるのでこれから読む。楽しみだ。

 

「四季彩 ボリューム2 菓子」著:春夏冬(春夏冬)

 春夏冬の2作目となる合同誌。見本誌だった最後の1冊を貰ってきており、ふせんがついている。そして合同誌なわけだけれどふせんがついていてよかったというか、よく言えば色彩豊かな小説群が収録されているなあ、と思うわけで。分量も個性も本当に様々なメンバーを抱えて活動するのは非常に大変だろうとなんとなく思う。個人的に好きなのはなんべんも述べている通りこのサークルの代表を務めている姫神雛稀氏の「イヴァンフォーレ理の七柱」シリーズである。今考えたんだけど最低でも合同誌が7冊出ることになっているというのはなかなかにすごい。そりゃたいへんだ。は4で止まっている。ぼくの周りで7冊も同じサークルが定期合同誌を出せているところはない*1(あるかもしれないけれど今思いつかない、という程度の意味)ので、7冊と言わず行けるところまで行って欲しいというのが正直なところである。

 

「踊る阿呆」著:オカワダアキナ(ザネリ)

 おかさんの新刊、ということで手に入れた作品。そういえばアンソロの作品まだ読んでいなかったような気がする。おかさんの文体は本当になんというか引き込まれるような語り口がすごい。落語の様にフリがあって、オチがあって、みたいな感じで、文章そのものというよりは、もはや文体としてしっかりと個性を固めているというところが非常に面白いし、立体的な作品になっているのだなあと思う。冷静でエロティックで、それでいてパンク。なんかに似てるな、と思って気づいた。忌野清志郎だ。ということはおかさんはキング・オブ・文学なのか。なるほど。

 

「旅人は地圖を持たない」著:小町紗良(少女こなごなと愉快な道連れ)

 少女こなごなといえばクイーンオブごうがふかいなでおなじみなわけなんですけれど、この作品は隅々まで最高にキマっているところがヤバイなあって思います。同人誌ってこう、装丁とか小説の文字フォントとかってどこかファッションセンスめいた美的感覚が出ちゃうじゃないですか。そういうものを全力で固めていった、小町氏が考える「この文章に合わせるのはこれだろ」っていうコーディネートをバリッバリのガッチガチにキメた感じのやつです。そこに一切の妥協の余地がないところがまたすごい。これもひとつのごうがふかいなではあるような気はするんですけど、まずはこの作品の同人誌としての完成度、これを皆さん読むことで感じていただきたい。個人誌、小説主体作品ということでいえば、2017ステージ最高クラスの完成度を誇る同人誌といっても過言ではないです。とにかく読め、そして感じろ。現場からは以上です。

 

「Last odyssey」著:孤伏澤つたゐ(ヨモツヘグイニナ)

 テキレボ6シーズンの最後を飾ったわけで、これはあまぶんシーズン3位の「魚たちのH2O」の後日譚にあたるとのこと。共通の世界観で、前作のラスト特有の寂寥感を残したまま物語が続いていくスタイルになっている。その文体は、限りなく詩的で日本語の持つ冗長性を極限まで排した造りになっている。だけに、言葉を尽くされている前作とは対照的な部分があり、一文一文をかなり深く読み込んでいかなくてはならないと思った。しかしながらつたゐ先生がもつ滑らかな語り口はそのまま、というのがなんだかものすごいなと思う。これがいわゆるごうがふかいなのひとつの完成形なのかもしれない。

 

 てなわけで、ギリギリで駆け抜けました。

 上位3作品についての記事も今日中にアップしていければと思います。こうごきたい。

*1:あるじゃん、ペンシルビバップ