おもちくんのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

白い雲が流れるさまを目で追っていても時間は過ぎ去らない

 どうもかーびぃです。

 

 というわけで、文フリ東京25シーズン参加作品を全部読了したので、最終の選外まとめを発表していきたい。

 今回、評点のばらつきとしては113点を中心として上は130、下は90に分布している。予想より広く、下向きの分布となった。書き手レーティング制度がかなり作用しているともとることができる。また、上位が非常に接戦であった。1位から4位までの評点差は1点を切っている。コンマ数点の差で首位と選外が分かれるというのは理不尽でもあるが、より正確に選ぶべき作品を選ぶようになっているともいえるだろう。

 さて、ここまでの中で、惜しくも選外、すなわち4位以下になったものについて、コメントしていきたい。

 

「神送りの空2 -人の願い 神の願い-」著:唯月湊(神様のサイコロ)

 昨ステージの「みんなのごうがふかいな展」のサークル指定作品、すなわちごうがふかいなシーズン参加作品の続巻にあたる作品。ハイファンタジー風味であった世界観が、「神候補」と呼ばれる存在を通して、徐々にSFやローファンタジーとしての側面を包含しつつ、「神候補」の少年を中心とした主要人物の愛憎が描かれている。当初予想していなかった物語の展開に驚きと、次巻以降物語はどうやって動いていくのか、気になるばかりである。

 

「過去からの脱却」著:今田ずんばあらず(ドジョウ街道宿場町)(レート:B)

 「イリエ」でおなじみの、という書き方をするのも何度めかになるのだが、氏といえば「イリエ」のイメージが強い。しかし、氏本来の手癖というか、創作の方向性として「イリエ」は代表作たりえない、という主張を存分に内包した、過去原稿と大胆にリメイクした作品集である。氏の持ち味であるフレッシュな会話文をそのままに、本来の持ち味であろう、やや硬めの文学青年を彷彿とされるような文体が、「イリエ」と大幅にテイストを変え、様々な場面を描いていく。それは明らかに文章を書く手練れとしてのプライドが見え隠れした、いわば新しい形の、今田ずんばあらず的ごうがふかいなであるといえる。それだけに、ぼくはこの作品を評点化することが惜しい。評点化することで幾百の作品に埋もれていってしまうという現実があるわけである。しかし、そうするのは個人的感情としてはあまりに惜しい。つまるところ、これは今田ずんばあらずの記念碑的作品であるといえる。今ずんファン必携といっても過言ではないだろう。

 

「内なるガパオの囁きを聞け(完全版)」著:相楽愛花(素敵な地獄)(レート:A)

 素敵な地獄の誇る漫才コンビによる、絶妙すぎる掛け合いとファンタジーでホラーな要素が付け加えられた、「ガパオ」の完全版である。コピー本だった部分は最初の1話の部分に収められている。インパクトという点では確かにコピー本のパイロット版(?)からすると劣るが、しかし「ガパオ」という世界観を「これがガパオだ」と表現しきったそのパワーには感服せざるを得ない。日本よ、これが「ガパオ」だ。

 

「ちょっと何言ってるかわからない」著:茶柱エクストリーム

 キング・オブ・ごうがふかいなのチャバエクこと茶柱エクストリームの二人組による新たなる合同誌。表題の通り、「ちょっと何言ってるかわからない」作品が並んでいる。もともとシュール系ごうがふかいなの関東最強サークルとしての茶柱エクストリームであるが、今回もそのパワーを最期まで出し切ったすさまじいものであった。しかし、今回はごうがふかいなレベルが高い(?)こともあり、現時点で合同誌最高評点をたたき出したものの上位には一歩及ばなかった。

 

「蒸気人間事件」著:蒸奇都市倶楽部

 スチームパンク「風」作品を発表することを掲げる、蒸奇都市倶楽部の最新刊。ぼくはテキレボ1でこのサークルに出会い、その作風でスチームパンク「風」の書き方を見習ったところがあり、そういう意味では非常にお世話になっているサークルだ。今回の作品はかなり骨太で、とりわけSFの世界では普遍的に近いテーマを取り扱っている。蒸気人間というのは、作中では蒸気が集まった人間であると捉えられているが、それからの展開が非常にSF要素が強く、それでいて江戸川乱歩的なエンタメ力もあり、一冊で様々なものを読んだような、そういったお得な気分になれる作品である。原案者と執筆者が異なっており、おそらくぼくの見立てでは、この文体は前回のごうがふかいなシーズンでチャンピオンを獲得したシワ氏がメインで執筆したのだろうと思われる(あとがき等にその痕跡もうかがえる)。非常に世界に寄り添った丁寧な創作であるのはもちろん、その文体にもごうがふかいなが漂っている。先述のチャンピオン作品「身を尽くしてもなお沈み」と読み比べてみることをお勧めしたい。

 

 さて、ここまで選外の5作品についてコメントした。次回以降、3位から順にその評点を含めて記事にしていく。3位は、まんまる四天王のあの作品である。こうご期待。