おもちくんのメモ帳

球体の生物が日々感じたことをつぶやくよ!

生まれてから一度も制服を着ないでここまできてしまった

 どうもおもちくんです。

 

 ということで、文フリ福岡に参加した2日間で読み切ってしまった文フリ前橋シーズンも、のこすところあとひとつだけになった。

 

 椿屋四重奏というバンドの曲に「シンデレラ」というものがある。椿屋四重奏のムーディなボーカルが、分厚いサウンドに載せられて、まさにシンデレラの夢のような独特の世界観が繰り広げられる。たいていのバンドはボーカルが曲全体をリードしていくというのが普通なのだが、彼らの曲はすべてのパートが互いに響きあっていて、それが重厚でムーディなサウンドを作り上げているのが本当に面白い。

 

「遊園地とクレイン 第七号 制服」著:梅に鶯

 文体:30 空間:30 (半客観分野:60)

 感覚:31 GF:39 (主観分野:70)

 闇度:0.546 レート:なし

 総合:130.546(文フリ前橋2シーズン 1位 ごうがふかいな賞

 

 ということで、第五号に引き続き、ふたたびシーズンレース1位になった梅に鶯である。ここまで読んできた中でも、抜群の安定感を誇る文芸サークルであり、この4人がそれぞれの個性を見せながらも、個のパワープレイに徹することなく、ひとつの合同誌を完成させるという目的のもと、それぞれがそれぞれの役割を意識しながら作り込まれている感じがものすごくするのである。こと、この創作文芸同人誌界隈における合同誌というものは、互いが互いのサークルを宣伝しあうような、個人のパワーのぶつかり合いみたいな、いわゆる対バンタイプのものが非常に多い中で、この梅に鶯の合同誌というのは非常に特異に映る。他が対バン、もしくは企画でいくつものバンドが集められているようなひとつのハコのようなものだとしたら、梅に鶯のこの「遊園地とクレイン」シリーズはまさにひとつのバンドがいくつも曲を演奏していくような、そういう豪華さがある。もちろん、いろいろな書き手の個をぶつけ合う合同誌もそれはそれの楽しみ方があるし、その中でも素晴らしいものがあるのだが、もし、そういったものに少し飽きを感じ始めているのならば、ぜひ梅に鶯の「遊園地とクレイン」をお求めになって欲しい。今回は制服だが、過去様々なものをテーマに、四者四様の筆致を描きながらも、それ自体がひとつの作品として収斂しているという、団体としての美のようなものを感じることが出来るだろう。

 ちなみに、今回のこの七号でいうと、唯月海理氏の「未来へ」が展開の引き込みに秀でていて読者を引き込み、松井駒子氏の「金魚救い」と倉田希一氏の「瀬音に流す」で重苦しい業のようなものを見せられ、最後の上矢竜暉氏の「愛の在処」でどこかすっきりとさせられるというこの一連の流れは、エンターテイメント性がある。けれども個の作品を見ると、それだけじゃなくてすべてにどこかしらの文学性をみることができるのだ。先ほどから再三のべているように、このような本づくりは一朝一夕で出来るようなものではない。お互いがお互いの書くものを分かり合ってからこそできる芸当なのである。合同誌サークルを出している書き手の皆さんはぜひ、読んでみてほしい。

 

 とまあ、そんなところで文フリ前橋シーズンは終了である。

 ここで、書き手レートの修正を行いたいと思います。修正結果については、後日記事を書こうと思いますので、ご注目ください。