夏の合間に見た雪景色の夢の中にいる人の姿を見て怯えるだけの日々から誰か連れ出してくれ
どうもかーびぃです。
なんだかいまひとつ体調がよくならないのだが、尼崎文学だらけはもう翌週末に近づいている。ということで、恒例(にしたい)の読むお品書きを書こうと思う。
ということで、来る8月27日(日)、尼崎市中小企業センター多目的ホールで「尼崎文学だらけ」が開催されます。通称あまぶん、文芸系同人誌即売会界のスマッシュブラザーズの異名をとるこの会は、非常にハイレベルで高「ごうがふかいな」な同人誌たちが並ぶ恐ろしいステージでもあるのですが、ここにまんまる書房も出展することになりました。ハリセンしかもってないけど積極的にぶん殴っていくぞ!
どんな強い本が出るかは、今までのシーズンレースでも上位に入った本たちの多くが登場するほか、それ以外にもどこかで聞いたことがあるようなサークルが有名なタイトルの本を出してきていたりする。
なお、あまぶんには他の人(というか、正確には並んでいるすべての本)の本に対し推薦文を付することができる。そのシステムを利用して、まんまる書房も「一押しの頒布物」に指定された「V~requiem~」に公式推薦文を寄せていただいた。非常によく読み込んでいただいており恐縮であるが、他の本があまりにも強すぎるがために関心をよせられるのかちょっと心配だったりする。
番号は先日もお伝えした通り22番。大衆小説という扱いになっているが一押しはファンタジーだしあんまり大衆感がないのだが、そんな気になるリストは下記リンクの通り。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/writerview.php?writer=45
ちなみに、あまぶんは通販もやっているので、もし尼崎に来られないという方でも試しにこちらで買ってみるということもできる。新刊「幻石」はあまぶんのみ特別頒布価格なので、それだけでも意味がある。他のひとの作品が欲しい人は検討することをお勧めします。手数料も送料と考えると全然お手頃。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/amaorder.html
期日が迫っている(19日まで)ので、ご利用される場合はお早めに。
さて、本編、お品書きに移ろう。
まず、一押しの頒布物として登録した長編「V~requiem~」(文庫版250頁 1000円)について。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=132
SFの雰囲気を帯びたフューチャーファンタジー。宇宙線が強くなり地上の文明が破壊された地球上に現れた新たな空の覇者は、かつて存在が予言されていた生物「ドラゴン」であった。人類はそれに対抗するために「V」と呼ばれる遺伝子操作を施した強化人間を作り出し、ドラゴンを討伐しようとする。東京地区で活躍するエース級の「V」であるサエグサ・ハルカが追いかけているのは、白銀の鱗を持つ美しくも凶悪なドラゴン「零式」であった。多くの人間を葬ってきた「零式」にこだわるハルカには、理由があった――
みたいな感じの話である。ひざのうらはやお史上最も美しい物語に仕上がっていると自負している。「V」たちは、それぞれの信義と戦う理由を抱えながら、ドラゴンに対峙し、かれらを葬り、もしくは彼らに葬られていく。その繰り返しの中、「零式」とハルカの攻防が最後まで続く。その結末は、ぜひ読んで確かめてほしい。
寂寥感を限界まで込めた物語。ひとがひとであることの意味を問う。
つづいて、今回の新刊である「幻石」(文庫版98頁 700円)について
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=131
鉱石トリビュート企画「ゲンセキ」の最初の一冊。実在しない鉱石4種についてそれぞれ4篇の短編を収録している。
「空石(スカイストーン)」:空を閉じ込めたような薄い青をたたえた石。重力に逆らう性質があり、人工的に生成できるため、地上が汚れて住めなくなった後に空中文明が生まれた。
「血石(ヘマダイト)」:人間の血液を主成分とした人造魔石。尋常ではない魔力を秘めており、摂取すると魔獣へと変化してしまう。ギルハンス帝国政府は完全管理体制を敷き、いかなる魔術士であっても血石を無許可で精製することを禁じている。また、軍事的にも重要な魔石で、機巧魔術捜査課にとっても濫用者を見つけ出すのが急務となっている。
「虎翳石(トラコナイト)」:くすんだ黄色と、薄っぺらい黒がまだらに混ざった、誰かが作った安っぽい石。不安定で今にも爆発しそうで、婚姻には最も向かない。
「霊石(イオピリアス)」:どんな物質よりも黒い石。宇宙の底にあるといわれ、尋常ではない力を秘めており、死者をもよみがえるとされている。
この4種類の鉱石をモチーフとした短編。
まだ誰も見たことがないその石を感じてみよう。
つづいて、ベスト短編集「まんまるくろにくる」(文庫版230頁 1000円)について
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=130
ひざのうらはやおの創作活動十周年を記念して製作されたベスト短編集。大学時代からそりゃたいへんだ。時代をはじめ、往年の名作をこの1冊で網羅が可能。幻想的ロードストーリー「底辺列車」や、不良少女と不良社会人のボーイ・ミーツ・ガール「春なのに工事中」など、過去の短編集に収録されたものも再録。ひざのうらはやおのこれまでの名作をいちどに読みたいという方にお勧め。
次は、コンセプト短編集「順列からの解放」(文庫版112頁 500円)について
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=133
表題通りのテーマを内包した5作を収録。SFや現代もの、ハイファンタジーなど多岐にわたる分野からそれぞれの「順列からの解放」を描いていく、ひとりアンソロジー。ひざのうらはやお入門として定評あり。その作風や文体を様々なジャンルから楽しみたい人向け。
「妄想の中でグローリーガールが宙に浮くから僕は彼女が好きすぎてたまらないんだけどいまだにそれを認められずに書きためた手紙をかき集めて作った表層をなぞるだけの指数関数、もしくは世界が滅びるまでのわずかな間に残された一縷の希望」(文庫版116頁 500円)について
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=176
略称「妄想」。概念と苦悩と供養の短編集。そこに収められた短編は、もはや散文詩に近い。ひざのうらはやおの中でも「くせ」が詰まった作品集。煙に巻くような文体とえぐり込むような銃弾をあなたに。
「こんにゃくの角で戦う大統領」(A5?頁 200円+1かーびぃポイント)について
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=162
ひざのうらはやお屍玉の裏ベスト。精神を浄化するために書き綴ったクソ短編や詩歌集が並ぶ。シュール芸ですらない、ごうがふかいなの塊。いちげんさんお断りの意味を込めて、この作品だけ「かーびぃポイント券」が必要です。お求めにはご注意を。
長編シリーズ
「The magic nightmare ~reunion~」(文庫版542頁 1300円)
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=210
「The magic nightmare ~GENOCIDE~」(文庫版224頁 1200円)
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=211
(両方セット 2000円)
ひざのうらはやお史上最ごうがふかいなを誇る、総字数20万字を誇るキャンパスライフ・ファンタジー。真中浮人を襲う様々な怪異と、次元のかなたに飛ばされた志島咲子の運命やいかに。縦波大学という作者が通っていた大学をそのまま写し取ったような大学とか、作者の先輩後輩をモデルにしたキャラクターがいっぱいでてくるよ!そういう意味のごうがふかいなだよ!!
ちなみに、このシリーズ、まだどうにかして書く隙がないかどうか狙っているところある。両方合わせて700頁なので軽い鈍器になります。
以上、あまぶんのおしながきでした。
気になるものがありましたらどうぞ当日「まんまる書房」へ、もしくは通販でお取り寄せください。