日本ごうがふかいな協会広報

日本ごうがふかいな協会の広報ブログです。

合理化されないことそのものが合理的なことって割とある

 どうもかーびぃです。

 ここまで2018ステージの参加イベントについてまとめていなかったので、簡単ではあるが、自分の思ったことを並べていきたいと思う。

 よもやこのメモ帳を見ている人に同人初心者的なひとはいないとは思うのだが、いるかもしれない、という運転方法は大事だ。そんな感じで読んで欲しい。

 

 2018ステージは、昨年秋の文フリ東京からスタートしている。現在は、その際に集めた同人誌を読み、一定の基準に基づいて評点化し、その上位となった作品については記事として特集し、そうでない作品についてもコメントをまとめるという「シーズンレース」というものをやっているが、まだ「文フリ東京シーズン」から抜け出せていないのが現状だ。とはいえ選外まとめがひとつできそうなので、これを書き終わってから書こうと思う。

 

 文フリ東京(第25回)は、去年の秋に開催され、雰囲気も陽気もそれなりで、安定していたイベントだなと思った。売り子として知人の協力もあり、非常に多くの作品を手に取ることが出来たし、その中で頒布水準も大幅に向上した。現金じゃない方法で謝礼をはずみながら、売り子を頼むというのもありだな、と思う一方で、売り子をしてもらうのにはそれなりに信用がないとだめだなあと思うし、そうなってくるとインターネットだけの付き合いの人とはなかなか難しいと思った。こちらからある程度足跡をたどれるような人間じゃないと、何か事故があったときに対応しづらい。売り子詐欺、とまではいかないものの、そういうトラブルの話はよく聞くし、ちょっと想像しただけでもセキュリティホールはやまほどある。そういう時に人間関係だけでどうにかできる程度には構築が済んでいる人じゃないと売り子は難しいし、そう考えると当面はよほどでもなければひとりでやるほかないのかな、とも思う。

 この回は、別のサークルの合同誌にもお邪魔させていただいたり、懇親会にも参加したり、即席の新刊(という名のクソ短編集)を作ったりと精力的だった。

 あと、半年以上前だとなかなか思い出せないことが多い。

 

 文フリ京都(第2回)も、前回同様にかなり雰囲気が良かったように思う。京都は一般参加者の水準が高いように思う。そのため普段以上に知り合いの参加者からの訪問が多く、新規で、という人は少ない。厳しいがしかしぼく自身の広報活動の性格的にそれこそ、「一見さんお断り」というシステムに構造上なっているし、それが結果として自分にやりやすいフィールドなので、それはそれでいいのかもな、と思った。無理にスタイルを変えていく必要が感じられなかった。それはともかくとして、新年初のイベントだったので、「新春!ごうがふかいなおみくじ」を開催したところ、これが予想以上にウケた。なんとなく、イベントごとに何かを設定するのはアリだな、と思った。

 

 さて、文フリ前橋(第2回)について。そこそこ準備をしてきていたつもりだったのだが、ふたを開けてみると準備不足が多かった。前橋というパイの小ささもあるだろう。全体として小ぢんまりしていたのだが、このイベント、どの方向に向かっていくんだろうなあ、という不安が様々な細かい部分から表出してきていて、次回以降あらゆる意味で目が離せないイベントとなった。この回は、商売敵、もとい同業他者的な存在であるデビー・ポンプ氏と出会い、非常に多くの頒布を行ったことから頒布数自体はあったのだが、それがなければ惨敗といっても仕方がないくらいの水準で、今後の方向性をいろいろ考えさせられたイベントだった。

 

 この辺から職場が繁忙期に入り心身のバランスが明らかに崩れてきて何も準備ができないまま大イベントに突入していく。

 

 春の文フリ東京(第26回)は、それこそ散々な頒布水準であった。去年の実績には辛勝したものの、ここまでの頒布水準と、東京というある種のホーム補正を考えると、ガタ落ちといっても過言ではない。全体の雰囲気も、これまでよりどこか軟化した印象で、どうにもポジティブな感覚にならなかった。繁忙期を極めて疲れていたというのもあるかもしれない。感じたのは、「文フリ東京ってここまで騒々しかったっけ」ってこと。だったんだけど、よくよく考えたら初参加(17とか18だったと思う)の時のラノベ系ブースの列は今以上に無秩序で騒がしかったしイキリオタクがすごかった。だから単なるぼく自身の問題だったようなのだが、周囲にも同じ印象を抱いたひとはいたようだった。ただ、弊社のホームとして設定している以上、何らかの方針転換をしたほうがいいのか、それとも現行のスタイルを貫くのか、といったことは、この文フリ東京の部分だけでも考えたほうがいいように思った。

 

 文フリ金沢(第4回)は、カラスに襲われた以外はとてもよかった。前日入りしてゆっくりできたのも大きかったし、イベント当日も思いのほか手に取って貰えた。もっとも、この回は新刊「まんまるびより」があったのでそのブーストもかかっていたのだが、しかし規模を考えると非常に多くの頒布があったことになる。前回ゼロ頒布だっただけにうれしかった。金沢は、他のイベントと比べると参加者の選好に独自のクセがあるように思われる。そして今回はそれを示唆する結果となった。

 

 そして、昨日行われた静岡文学マルシェ(第2回)。こちらも、金沢とは異なる特徴があって、同人誌即売会という前情報なしにやってくる一般の方が多いということ。これは金沢とは別のクセがあり、頒布数としては弊社ではマイナスにかかわる部分が多いように感じた。しかし、イベント全体として非常に雰囲気がよく、同人誌即売会というジャンルに縛られることのない、地域イベントとしての目線でみるとこれほど面白いものもないし、また成功を収めているという意味でも稀有ではないかと思う。そう、どちらかといえば、純粋な同人誌即売会ではなく、文化的な地域イベントという側面があるのがこの静岡文学マルシェのようで、それが前記したように一般の方を巻き込む導線につながっているのかなと。そう考えると前夜祭というイベントと、その内容もかなり画期的である。創作同人界隈はコミュニティとしての側面とマーケットとしての側面が混在しているという風にぼくは考えているのだが、今まで参加した大規模な同人誌即売会は、どちらかといえばマーケットに訴えかける面が強く、地方の即売会イベントもそれに追従する形が多い、と考えていた。しかし、この静岡文学マルシェはコミュニティとマーケットを並立させているという点、むしろコミュニティを前面に押し出していて、しかもそれが閉鎖的な方向に向かわないような努力をされているなあと感じた。これは他のイベントでは見られていないもので、そこがすごいし面白いなあと思った。

 そしてぼくは、たとえ目的の頒布数が得られなかったとしても、このイベントは参加したいなあと思った。ぼく自身、頒布数や売り上げなどといった要素が第一目的ではないということを再々確認くらいになるがそういう発見をしたいいイベントだった。

 あと静岡おでん、衣がやわらかい厚揚げがすごいうまいんだけどこの辺だとどこで売ってんだろうなあれ。