ひざのうらはやおのメモ帳

サイコパスクソメガネが祈る墓標みたいなやつ

本郷スーパーナイトメアチョップ

 どうもおもちくんです。

 というわけで、文フリ東京26シーズンの選外まとめ、後半戦である。

 今回はなかなか両極端で、評点が高い層と低い層が多いというシーズンだった。当時なかなか濃い買い方をしたなあと思うから、まあそういうことなんだろうなと。

 

「ウィークエンド」著:伊奈

 純文学、というよりかは青春小説に近い、伊奈氏による短編小説。これ一本を個人誌として入れてくるというのはなかなかにチャレンジングだなあと思う。複雑に書き込まれた設定と、予想外の展開は読みごたえを生むものとして書かれたのだろうなあと、これをドトールコーヒーで苦いコーヒーを啜りながら考えた。

 

「長い昼日向の終わり」著:市井一佳(フロッケリプリカ)

 隣のサークルだっと思うが、掲げていた世界観が面白そうだったので買ってみた次第。ゼンマイで動く自動人形「ミムス」が普及する世界の話。スチームパンク的なインダストリアル感を漂わせながら、それでもファンタジックに展開していくこの世界観が不思議に面白い。この作品自体は短編なのだが、長編があれば読んでみたいなと思った。

 

「強力な零」著:黙劇一海 ほか

 ストロングゼロアンソロジー、とでも言えばいいのだろうか。すべての小説にはモチーフとしてあのストロングゼロが使われている。その使い方は限られているようで様々で、制約がないようである、あるようでないといった感じなので、もしかすると別の制約があるのかもしれないと思ったが、それは文章中からは見て取れなかった。文体から察するに、ぼくと同年代かもしくは少し若い世代が書いているように思う。学生か、学生から足を洗った身分か、そんなところ。しかし、ストロングゼロのような強い酩酊感を催すようなものはなく、むしろ、明晰な文章が多くてびっくりした。雑多だけれど雑味の少ない、クリアなアンソロジーだろう。

 

「恋歌/恋華」著:月ノ音姫瑠(メンタルティック→ワルツ★)

 東北のロリィタ詩人、月ノ音姫瑠氏のリバーシブル詩集。二つの詩集が互いに結合されて生み出された、簡素にしてなかなかない装丁のものである。

 ぼくはこの人のまっすぐなことばが好きだ。その装い、立ち姿、詩全体の雰囲気とは真っ向から対立するようで、すべての「あり方」の軸を通しているのは、氏が紡ぎ出す、あまりにもまっすぐすぎることばなのだと思う。それこそが、ひとつのごうがふかいなであると信じて疑わない。

 

「僕は人魚しか愛せない」著:善之新 (ごうがふかいな賞)

 本シーズンの最大の問題作であるように思う。この書き手、たしかぼくの2つとなりだったかで、非常に分厚いものばかり売っていたのと、これの残りが少なかったことから気になったのだが、なかなかに骨太な短編集だった。異常性愛/性的倒錯をテーマとした短編集である。表題作が最もパワーがあり、かつ分量もあるのだが、それ以外にも彼らが息づいているまちの、どこかホラー小説の舞台のような閉塞感がとても気になった。そういった人間が図らずも集まってきてしまうような、不思議なまち、といった雰囲気がすごいのである。これ以外にも高いごうがふかいなを誇る作品はあったのだが、圧倒的なごうがふかいなを誇ったためこちらがごうがふかいな賞となった。

 

 というわけで、これで選外まとめはすべて書いたことになる。

 次は、不思議で、どこかやるせない雰囲気を持つあの作品の記事である。

 こうご期待。