日本ごうがふかいな協会広報

日本ごうがふかいな協会の広報ブログです。

弾丸を使うなら常に打ち抜けるように準備しておくべきなのだ

 どうもかーびぃです。

 

 というわけで、第6回Text-Revolutionことテキレボ6に参加してきました、というレポなんですけれども。

 

 結果から言えば、前回(テキレボ5)からは考えられない頒布数(総頒布数で前回の10倍)を記録し、自己記録2位タイという結果も残ったし、主催企画であった「みんなのごうがふかいな展」もおおむね盛況、かつ大きなトラブルも観測せずに終わり非常にいいイベントだったと思う。

 で、ここからはあくまで昔の話。

 

 正直な話、テキレボ5に参加するまではあまりテキレボというイベントにいいイメージはなかった。「そりゃたいへんだ。」というユニットを組んでいた時に、テキレボ2に参加したことがあるのだが、そのときは現場に行くことができず悔しい想いをして(1回目が面白そうな試みをたくさんやっていただけに)、それが強く残っていたためにテキレボ2では(今となってはもうできない)3編のアンソロを送り込んだりとそれなりに宣伝を打って出たが結果は文フリの水準をはるかに下回るものとなり、売り子に出ていた人間からもあまりいい意見を聞けなかった。中でも出てきた意見が、今でも散見される「内輪ノリについていけなかった」というもので、確かにそうであるならば、このユニットでテキレボに参戦するのはやめよう、ということになったのだった。

 

 それ以降、なんとなく遠巻きに眺めながら、ぼくは彼らが、今までぼくが触れてきた文芸創作畑の人間たちとは根本から大きく違っているということに気づかされた。この創作集団群は一体どういった行動によって創作活動を行っているのか、彼らは一体、テキレボという舞台を軸にどういった経済圏(もっと他にも言い表しようはいくらでもあると思うが、ぼく自身のフォーマットに落とし込むために、あえてこう表現することにする)を形成しているのかが非常に気になった。前回、テキレボ5に参加しようと思ったのはそれ以前の軽い気持ち(テキレボに参加するのを止める人間が誰もいなくなったという、本当にただそれだけ)であったのだが、それでも参加しようという強い気持ちを保ちつつ、今回も出ようと思ったのは前述の気持ちが非常に強かった。また、この空間であれば独自の軸を打ち立てて、他のどこにもない自分だけのマーケットを作ることが出来るのではないか、という気がしたのも事実である。

 実際、現場はぼくが考えた仮説に概ね合致していた。その仮説とは、ぼくの観測上では頒布数の(相対的)分布が二分されること、そしてその要因は企画参加の有無であること、非常におおざっぱに言えばそうなる。テキレボ終了後のぼくのタイムライン上では、まさにその格差が慄然と存在していた。それは前回の時点では見ることが出来なかった景色であり、そのぶんぼくがテキレボ村の住人をはじめとした文芸系創作同人界隈に入り込むことができ、その景色を良く見渡せるようになったことの証だと思う。

 また、テキレボの運営においては、頒布数を上げるような、商業的なノリのサポートが非常に多いように思う。イベント企画の多さと、そのバックアップの姿勢、そして情報網の広さときめ細やかさ、対応の早さ。これらは他の即売会運営が追い付けそうでまったく追いつくことが出来ないテキレボ運営の最強の強みであるといえる。

 イベント企画「みんなのごうがふかいな展」をやってみて、運営のその姿勢というものが非常によくわかったし、とても細かいところにまで目が行き届いているというところが印象的だった。他のイベント企画者が口にするように、本企画もとどのつまり俺得企画というやつである。他の企画のようなキャッチーさやわかりやすさは皆無、システムもやや複雑、宣伝は明らかに少ない。それでも相乗効果で前述の通り頒布数だけでも前回比にして10倍近い成果を得られた。このやったもん勝ちという雰囲気が、次々と企画が出ていく独特の風土を生み出しているのだろう。そして、何より頒布数以上に重要なのが、他の創作者との交流である。これが他の同人誌即売会にはないテキレボの最も特異な側面である。無料配布という概念がこれほどまでに多くのサークルに浸透しているのは、テキレボという場がたんなる同人誌即売会の場を超え、創作者同士の交流、いわば見本市、文芸同人界隈における豊洲市場のような力を得ているのではないだろうかとぼくは考える。もちろん築地市場は文フリだ。

 テキレボというのは、村の祭りであると同時に、政(まつりごと)でもあるのだなあと感じたのは、この企画同士の引力と、参加者の創作文化の違いが参加企画によって可視化されるというところから感じたものである。それについては別段伝えようとも思わない。単なる主観的な思い込みだ。

 願わくばぼくは、名誉村人のような立場になりたい。村の一員としてではなく、あくまで世界をさすらう旅人として、村の祭りを手伝っていきたいし、初めてこの祭りに参加する旅人をサポートできるような、いわば屈強な傭兵になりたい。参加してみて、なんとなくそう思った。先日ツイートした「テキレボが政治なら最大野党を目指したい」というのはかみ砕くとこういう意味になる。内部の人間としてできることよりも、少し外に軸を置いていたほうができることが多くなるというだけの話であり、そこにぼく自身の私情は皆さんが思っている以上に少ない。

 というのが一応のレポートではないレポートである。

 

 いすれにしても、ぼくはぼくの道を行くしかないし、創作世界で軸にしていることって、しいて言えばそれくらいしかないんじゃないかと思う。意外と根性なしだから。「ごうがふかいな」だって最近考えだしたものだしまだ何かぼくですらよくわかっていないのだから。

サーモンの!!!!!!!!!!お寿司!!!!!!!!!

 

 どうもかーびぃです。

 

 ということで、今週末(10月28日)に開催される「第6回Text-Revolutions(以下テキレボ6)」に出展するので、そのお品書きをここでまとめてみる所存。

 そもそも、テキレボとは、東京で行われる中規模の文芸オールジャンルイベントである。オールジャンル、つまり二次創作も存在するという意味でなかなか面白い、どちらかといえばコミティア系のイベントではないかと思う。文字中心であることは間違いがないのであるが。

 いくつか特徴があって、まずツイッター上の発信力が圧倒的であるところと、カタログのほかに、ひとつのお題についてサークル参加者有志による短編を寄稿している公式アンソロジーが「読めるカタログ」としてウェブ上に掲載および会場で頒布を行っているところだろうか。ちなみにぼくも下記のような作品を上梓させていただいた。

祭りの終わり | Text-Revolutions

 こんな感じで参加者は4000字程度の短編で作風をアピールできる。これ以外にも、イベント内企画が多くあり、ぼくもそのひとつ「みんなのごうがふかいな展」を主催しているくらいにハードルが低い。「みんなのごうがふかいな展」については、このメモ帳に該当カテゴリがあるのでそちらを参考にしていただきたい。とにかく、ぼくは常々述べているが、村のお祭りなのだ。名主がいて、粉屋がいて、魚屋がいて、みたいなそんな感じ。ぼくはそこにやってきた旅人で、さしずめ地方の学校で教鞭をとっている冴えない教授といったところだろうか。

 

 とまあ、そんな有象無象な説明はともかく、今週土曜日に迫ったその祭典は、午前11時から5時間、都立産業貿易センター台東館(最寄り:浅草駅)の6階で開催される。そこそこ大きな会場で、150弱のブースがひしめいているので、中規模イベントと言っていいし、東京地方のイベントとしては比較的大きく、また成長中のイベントともいえる。アクセスも観光地でかなりいいところであるので、みなさんぜひ立ち寄ってみてください。

 

 さて、読むお品書きとはいっても、尼崎文学だらけから新刊を全く作っていないので、すべて既刊、かつ、どこかで紹介済みというものであるのだが、ここまでにいただいた感想なども含めてご紹介していきたい。

 

 「鉱石トリビュート短編集 幻石」 800円

 存在しない架空の鉱石4種について、それぞれ1つずつ短編を書いている作品集。存在しない鉱石とはいえ、ファンタジーでそろっているかというとそういうわけではなく、SF、ラノベ、純文学風とそこそこ広いレンジを持っている。

 一か月後のコミティアで出展される予定の「アンソロジー空」に寄稿した作品と共通したモチーフを持つディストピアSFが巻頭を飾るほか、ひざのうらはやおが最も書きたいように書いていると噂のライトノベルファンタジー「ペナルティ・メイカー」から短編を書き出したり、かと思えばお笑い芸人が頑張っている姿を描いていたりと幅広くまたどれもそれなりに定評のある芸風で固めた、ある種の安牌で、実質最も売れやすい作品と言っても過言ではなく、実際尼崎文学だらけで刊行されてから、ここまでのぼくの作品からは考えられない速度で頒布されていっている。

 感想の中でも代表的なのは、先日も取り上げた灰野蜜氏によるこの記事であるが、中でも空アンソロとの接続作品である「At The SEVENTH Heaven」と上記のアンソロジーに寄稿した作品と接続している「まだらな二人」が人気であるが、個人的な攻め玉はそのどちらでもなく、のこりの2つであるということをここで述べさせていただく。

 それをどうとるかはあなた次第。

 

 「V ~requiem~」 1000円

 遠い未来、人類は宇宙線の発達と、突如として現れた未知の生物「ドラゴン」によって、地中に生きることを余儀なくされていた。彼らは、自らの存在を守るために、「ドラゴン」と人間の遺伝子を掛け合わせた混合人間「V」を生み出し、「ドラゴン」と戦い続けている。その中でも、人間の存在を脅かしている「零式」というドラゴンを倒すことのみを考え、日々敵を葬るひとりの「V」がいた。

 「ひざのうらはやお史上最も美しい長編小説」というフレーズは、おそらくここ数年この作品に使用されることとなるだろう。それくらい、ぼくとしては図らずも全力を出してしまった物語になる。実はテキレボ5の新刊として、ややエンタメを意識して堂々刊行されたものだが前回は全く数が出ず、微妙な気持ちにさせられていたのだが、尼崎文学だらけ、および文フリ大阪でじわじわを頒布数を伸ばしてきているだけでなく、好意的な感想も増えてきていることから、この作品に前述のフレーズを付与することとなった。エンタメを意識した作品であるので、いわゆる作者性という意味では「ごうがふかいな」は低めであるのだが、そのぶん読みやすく、またメッセージも明確である自信はある。弊社一押しの作品であるので、まだお求めでない方はぜひ。

 

 「順列からの解放」 500円

 表題通りのコンセプト短編集。ひざのうらはやお入門として名高いこの作品には、スチームパンク風、ボーイミーツガール風、といったようにかなり幅の広い作風がおしこめられている。どれもそれなりに楽しめるはずだ。そして、どの文章もぼくは今後書いていくであろうという意思表明でもある。

 

 「妄想の中でグローリーガールが宙に浮くから僕は彼女が好きすぎてたまらないんだけどいまだにそれを認められずに書きためた手紙をかき集めて作った表層をなぞるだけの指数関数、もしくは世界が滅びるまでのわずかな間に残された一縷の希望」 500円

 「みんなのごうがふかいな展」における出展物、いわゆる「GF頒布物」というやつである。110文字という信じられないタイトルの長さであるが、これは表題作がこのタイトルである必要があったのである種仕方のないタイトルなのだ。一応、濃度としては最大のごうがふかいなを誇る。9編の短編はいずれも、時間的制約が非常に強い中で生み出されたものであるからこそ、「ごうがふかいな」に頼らざるを得なかった。そういう側面でも、比較的生に近い「ごうがふかいな」が展開されている貴重な作品集ともいえるだろう。この説明しがたい感情を説明させるために「ごうがふかいな」という概念は生み出された。多めに搬入しているので今がチャンス!

 

 「まんまるくろにくる」 1000円

 これも実は関東初頒布であることに今気づいた。創作活動10周年を記念したベスト短編集であるが、個人的にはさほど興味がない。というのも、まさに記念碑、記録的な意味しかなく、作品集としてのぼく自身の情熱はほぼないといってもいいくらいなのだから。

 しかし、だからこそぼく自身が読者からどのように見られているのか、というのを徹底的に自分なりに考え抜いて選んだもの、という意味では今までにない作品集であるともいえる。ある意味、実は「ごうがふかいな」が強いのかもしれない。

 

 「The magic nightmare」シリーズ (上下巻セット 2000円)

 reunion 1300円

 GENOCIDE 1200円

 弊社最大のごうがふかいなを誇る長編小説。上下巻セットだと500円引き。

 キャンパスライフ・ファンタジーと銘打たれたこの作品については、とにかくごうがふかいなの塊としか言いようがないのだが、あまりにもごうがふかいなが強すぎるがゆえに、そのごうがふかいなっぷりを理解できる人間がそもそもほとんどいないということに気が付いてしまったがためにあまり宣伝をしていない代物である。それくらいにごうがふかいなの塊であり、かつ、これ以上のごうがふかいなを出すものというのは、ぼくの自然体を超えた自然体に他ならず、それは今後書かれる大長編や長編では稀有になってくるとは思うのだが、一応これ以上のごうがふかいなを出す用意はある、ということだけは伝えていきたい。

 ひざのうらはやおの渾身にして自然体、そして多分なる内輪ネタを含んだ史上最大級のごうがふかいなに溺れたい方(えてしてそれはコアなかーびぃファンとも言う)のみが手にできる希少な代物。何しろ鈍器なので搬入数が少ないため、お求めの方は要注意だ。ちなみにここまで並べたもので最も刊行が古いものでもある。

 

 以上、読むお品書きであった。思った以上に読み応えのある記事になってしまったが、ぼくの小説を読みたい人間に対しては、かなり親切にしたつもりであるし、こういったお品書きの需要があるものと思われる。どこから目線だ。

 ということなので、「これ読んでもようわからん、というか読む気になれないんですけど」という方は、まずD-01(お目付け席!)に寄ってもらい、無料配布の冊子を手に取っていただければ「ごうがふかいな」というものが何か、感じることはできるはずだろうと思うので、そこから探してもらえるとありがたい。

 また、「みんなのごうがふかいな展」にも10サークルの参加があるので、気になる人はサークルリストを貰って、探してみよう。素敵な「みんなの」「ごうがふかいな」が見つかることを祈りたい。

 

 ということで、当日はサイコパスクソメガネがいたりいなかったりするので、探してください。大当たりの鐘をもっていくのでいなかったら振ってみましょう。飛んできます。

 では。

賢治うどんなんて初めてきいた

 どうもかーびぃです。

 どうも読む人が増えてきたようで、うれしいのは何よりなんだけれども、基本的には同人誌の批評というのは遊びのひとつで、ここではぼくの思ったこととかそういうのを普通に書いていくだけの雑記帳なので、特に過度な期待をしないでほしい。みなみけかよ。

 

 ということで、花巻市交流会館(花巻市)で行われたオールジャンル同人誌即売会+コスプレ撮影交流会の「はなけっと」に参加してきましたよ、というレポート。

 

 結論から言うと、おおむね満足であった。特に、地元を巻き込んで一緒に花巻を盛り上げたいという運営側の強くて熱い想いを感じられたイベントだったと思う。それなりに即売会に参加してはいるが、これほどまでに明確に地元を味方につけていたイベントで、この規模で行えるものはないし、中でも非常に独自で特異であるなと思った。

 

 オールジャンルであるにも関わらず、文芸系同人誌のブースが非常に多かった。これがひとつめの特異な部分である。オールジャンルというからには漫画やアクセサリーがほとんどで、小説など数えるほどしかないだろうと思っていたのだが、思っていた以上に小説サークルがあり、ぼく自身も特に肩身の狭い思いをすることがなかった。中には文フリ岩手でお会いした方もいて、とくに隣が文フリ岩手シーズンで首位となったジンボー氏だったのは奇遇としか言いようがない。

 また、会場に飲食スペースが用意されており(その代りブースは飲食禁止なのだが)、会場のすぐ外には東北のうまいもの的なものを売るキッチンカーが配備されていた。特に大船渡のホタテがまあうまいんです。ひとつぶ500円というこういう形態にしてはかなり良心的な価格で売られていて、ぼくも食べてみたんだけどうまい。次も来たら参加します!マジで。

 あと、会場ではDJが音楽をミックスしていたのだが、たぶん世代が近いのか、学生時代に流行ったものばかりでとても懐かしい感じがした。ただ音がちょっと大きかったなあ。かーびぃ氏は地声が非常に低いのであれだけ音が鳴らされると訪ねてきた人に声が伝わらなかったりするので、BGMとしてある程度の音を出したいという気持ちはわかるのだが、そのへんは事前にリハーサルなどで調整したうえでやっていただくなどして改善したほうがいいように思う。

 これらがはなけっとの特徴であり、また、そのような特徴から一般参加者の層もぼくが意識していたものとはだいぶ違っていたので、特別に対策を立てていった方が頒布数は稼げるのではないかと思ったのだが、そもそも想定外の頒布数だったので気にしなくてもいいのかなと思ったりもする。

 そう、思っていた以上に頒布数があった。上記のように特殊なイベントであったこと、また、花巻という今までで最も規模の小さい地域でのイベントであったことから、頒布数0も覚悟していたのだが(実は文フリ金沢で頒布数0を記録している)、実際は完配するものがでるほどで、そこそこ盛況だったというのと、見積もりが少し甘かったことを思い知らされた。あと、こちらの手違いでバスの時間を間違えてしまい、結果として花巻駅まで歩いて帰ったわけだが、なかなか面白い体験だった。非常に遠いので軽くなった荷物じゃなければいやになっていたと思う。だがそれ以上にこたえたのが、花巻駅が思った以上に小さく、休めるところが待合しかない(北上と同じ)だったところで、それが疲れた体にいちばん効いた気がする。北東北の鉄道規模を甘く見ていた。はなけっとの盛況っぷりがあったせいもあったと思う。

 公共交通機関の弱さ、これがはなけっと最大の弱みであると思われる。カタログの言葉などから、このイベントはどうも花巻市交流会館ありきのものであるみたいなので、もし次回以降があるとしても、会場が変わるということは考えにくい。だとするならば、最寄り駅まで2キロ以上あり(しかも列車は1時間に1本くらいしかこない)、バスも一日に数本しか走っていないとなると、車を使うのが最適解となるわけだが、肝心の駐車場を多く用意できないというのが弱みだ。東京から公共交通機関を使用して1泊2日の行程で参加するのであれば、北上に宿をとって、そこから決め打ちしてバスに乗り込むのがもっともスマートだろうと感じた。このバスは北上駅から出ており、北上は東北新幹線の停車駅である。付近にホテルも多いから、おそらく宿泊地として選ぶ人は多いのではないかと思う。駅はともかく、駅のすぐ近くに産業会館のような建物があり、とても気になったので今度は行ってみたい。

 

 ちなみに、花巻駅で食べた賢治うどんという名前の、山菜とおあげと卵だったかがのったうどんはおいしかったです。駅そば真骨頂って感じ。

 

 会場にも余裕があったし、次回はもっと参加者が増えてバスをチャーターできたりできるといいなあ、と思いました。現場からは以上です。

 

 余力があれば週末の読むお品書きでも書こうかなと思うけどいったんここで。

「第6回Text-Revolutions」で、「みんなのごうがふかいな展」を開催します。

 

 どうも、(株)ごうがふかいなホールディングス(以下GFHD)代表取締役社長のひざのうらはやおです。この記事では10月28日(土)に開催される文芸系同人誌即売会イベント「第6回Text-Revolutions」内で開催されるイベント内企画「みんなのごうがふかいな展」について、一般参加者用に参加の仕方を説明します。企画参加サークルのごうがふかいな本を効率よく集めたい!そもそもごうがふかいな展ってなに?というみなさんの疑問に答えられたらと思います。

 

 「ごうがふかいな」の定義や企画参加者用のレギュレーションについては、下記の記事をご覧ください。ちなみに、既に企画参加については締め切っております。ご了承ください。

houhounoteiyudetaro.hatenablog.com

 

 ここにあるように、「みんなのごうがふかいな展」に参加するサークルは、それぞれ自分の頒布するものの中から一押しの「ごうがふかいな」な頒布物(以下GF頒布物)を持っているということになります。それをばんばか集めていきましょう!というのが基本スタイルです。

 そして、各サークルのGF頒布物を貰ったら、同時に「ごうがふかいな券(参加サークル発行)」を貰うことを忘れないように。この「ごうがふかいな券(参加サークル発行)」は、他のサークルのGF頒布物を集めるとき、1枚につき100円分のお買い物券として使えます。お得にごうがふかいな本を集めていきましょう。

 ただし、「ごうがふかいな券」は下記の制限があるのでご注意ください。

 ・有効期限が当日限り(そのため、委託参加および代行対応は不可*1となります

 ・発行サークルの頒布物には使用できない。(GFHDによる事務局発行は除く)

 ・1度の会計につき、最大で3枚まで(該当するGF頒布物の頒布価格が300円以下の場合、使用する券面価格の合計がGF頒布物の頒布価格を上回らない範囲で)しか使用できない。(ただし、事務局の頒布物に対してはこの限りではない)

 ※例えば、下記のような頒布価格の場合、使用できるごうがふかいな券の枚数は以下のとおりです。

 200円→2枚まで

 250円→2枚まで

 300円→3枚まで

 500円→3枚まで

 

 

 さて、お待ちかねの参加サークル一覧を発表いたします。

 参加が確定していないところもあるので、その場合は確定し次第掲載していきます。

 以下、サークル番号、ブース、サークル名、GF頒布物とその著者、(本をまったく読んでないかーびぃ氏による雑な紹介)という順で掲載します。

 

0.D-01 (株)ごうがふかいなホールディングス(事務局)

 GF頒布物「妄想の中でグローリーガールが宙に浮くから僕は彼女が好きすぎてたまらないんだけどいまだにそれを認められずに書きためた手紙をかき集めて作った表層をなぞるだけの指数関数、もしくは世界が滅びるまでのわずかな間に残された一縷の希望」

 著:ひざのうらはやお 500円 文庫(A6)版

 タイトルの長さを競い合うように長いタイトルのものが並んでいる「みんなのごうがふかいな展」の中でも、最長のタイトルを誇る作品です。9つの短編を集めたものになります。すべてを読み終えてから、あなたは「ごうがふかいな」を感じることが出来るかもしれません。

 

1.C-10 ドジョウ街道宿場町

 GF頒布物「射場所を求めて 今田ずんばあらず短編集 大学の章、一」

 著:今田ずんばあらず 500円 A5版

 あの「イリエの情景」でおなじみの今田ずんばあらず先生が、「みんなのごうがふかいな展」に参戦!そのユーモラスな視点と高い叙述力が炸裂する~~~

 

2.E-13 むしむしプラネット

 GF頒布物「灰が積もりて嵐が来たる - 絶命のユーフォリア Episode 0 + trial」

 著:柏木むし子 200円 文庫版

 ツイートから察するにバイオレンス的な意味での「ごうがふかいな」のようです。首がおちる系男子に萌えるみたいなそんなことをつぶやいてましたので、くわしくはご本人に聞いてみよう。

 

3.D-24 蒸奇都市倶楽部

 GF頒布物「身を尽くしてもなお沈み」

 著:蒸奇都市倶楽部(シワ) 400円 文庫版

 スチームパンク風小説を書くことでおなじみ、蒸奇都市倶楽部からはこの作品がエントリー。一体どんな「ごうがふかいな」が飛び出すのか楽しみ。

 

4.B-29 UROKO

 GF頒布物「日々是奇怪」

 著:三谷銀屋 200円 文庫(A6)版

 ホラーとファンタジーの書き手として赤丸急上昇中の三谷氏からは短編集のエントリー。最初の作品だからより「ごうがふかいな」である、とのこと。この機会にぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。

 

5.D-03 友引撲滅委員会

 GF頒布物「Fetishism」

 著:神坂コギト 500円 A5版

 異常性愛掌編集、と銘打たれたこの作品。人間の暗部をギラギラと照らす神坂氏の筆致とそのコンセプトの組み合わせは「ごうがふかいな」必至かつ「混ぜるな危険」と思われる。かーびぃ氏、大阪文フリでこちらと新刊とを迷った挙句新刊を購入するくらいのものです。やばそう。

 

6.E-06 ひとひら、さらり

 GF頒布物「Cis2 サンヤー号にのって」

 著:新島みのる 800円 A5版

 2があるということはおそらく1もあるのだろう。だけれど2をわざわざ指定するということは、そこに著者の意図があるというわけだろう。テキレボアンソロではジュブナイル感を存分に披露した著者が織りなす「ごうがふかいな」とは。参加者よ刮目せよ。

 

7.E-10 神様のサイコロ

 GF頒布物「神送りの空 -人の願い 神の願い-」

 著:唯月湊 700円 文庫(A6)版

 クオリティの高い合同誌を製作することでおなじみの「梅に鶯」にも所属している(唯月海理名義)唯月氏のサークルからはこの作品。カタログを見る限りではたしかに多分に「ごうがふかいな」を含んでいそう。ファンタジーに定評のあるその筆致をぜひ現場でご確認ください。

 

8.C-11 木の葉スケッチ

 GF頒布物「灯色の風景」

 著:転枝 300円 文庫版

 純文学分野でめきめきと力をつけている木の葉スケッチ代表の転枝(ころえだ)氏の中編小説。合同誌に載せたものと加筆修正したものとのこと。これに関しては合同誌掲載のものを読んだんですけど、かなりクオリティが高いごうがふかいなです。まさに王道、お手本みたいな感じです。さらにブラッシュアップしてきてそうのでぜひともお手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

9.B-21 鶏林書笈

 GF頒布物「因果者の宴」

 著:高麗楼 100円 B6コピー本

 ということで、開催5日前にして突如隠しサークルとして登場した鶏林書笈(けいりんしょきゅう)さんが正式に参加を確定!エッセイとのこと。100円なのでごうがふかいな券ぶんで実質無料!これはすごいぞ!

 

 参加表明サークルすべてがそろいました。参加サークルは以上の10サークルです。

 

 また、使い切れなかったごうがふかいな券は、D-01(株)ごうがふかいなホールディングスにて行われる「ごうがふかいなくじ」の参加券にもなります。1枚で一回、サイコロを振るだけの簡単なくじです。当たれば豪華賞品プレゼント!はずれてもみなさんおなじみ「かーびぃポイント券」ゲットのチャンスが!ぜひとも当日はごうがふかいな展に足をお運びください!

 

 というわけで、よろしくお願いいたします!

 

*1:代行サービス利用の場合はごうがふかいな券を添付しないことで対応します

恵みや救いだけを押し付けられるその存在の願いを叶えられるものは果たして

 どうもかーびぃです。

 

 何度も出てきてしまうのは単によく聞くからなのでそこはもうお察しくださいとしか言いようがないのだが、このブログではおなじみのロックバンド、9mm Parabellum Bulletの曲に「光の雨が降る夜に」という曲がある。以下の記事を読む前に、できれば聞いてほしい。探してすぐ見つからなかったがバンドとしても知名度が決して低くないし、その中の有名な方の曲であるので聞くのはそんなに難しくないはずだ。

 ぼくはこの曲がとても好きだ。歌詞の完成度とそのデスパレートさ加減、そして時に演歌ロックとも評されるそのメロディアスな節回しもクサすぎずちょうどよい塩梅だと思う。なにしろ歌詞と曲の相乗効果がなかなかどうして、はまるのだ。

 

「NONE BUT RAIN」著:咲祈(モラトリアムシェルタ)

(通読性:17/宇宙感:23/残響度:24/嗜好:8/闇度:S 合計82点)

 

 まさかの総合首位+歴代首位の返り咲きで、物語として出来すぎているような気もしないでもないが、しかしながらぼくの主観としてこうなってしまった以上逆にこれをいじることそのものが、美しさに対する反逆のような気がして、調整を行わずそのままこのような形とした。史上初、2つのシーズンを首位で記事化されるという書き手は、おそらく師匠以外にいないだろうとも思われる。さすがはこのぼくが師と仰ぐほどの書き手だ、とこの作品を読んでとみに思った。

 この本を手渡されたとき、「批評に耐えられるかどうかわからない」という謙虚で控えめなことをコメントされたことを覚えている。確かに、先回、およびこのシーズンでもさんざん話にのぼっている師匠の前作「ファントム・パラノイア」とは全く趣を異にしているといっていい。ファンパラが黒色のパンツスーツで武装した姿だとするならば、こちらの作品は清楚でありながらどこか煽情的なピンク色のワンピースドレスだ。ある意味対照的であるがゆえに咲祈イズムを際立たせる結果となったのだと思う。その特徴的なすらりとした刀のような文体は流麗な太刀筋を描きながら健在しているが、それ以上に目を引いたのが、今までにあまり見られなかった、官能的な雰囲気である。もちろん、氏の作品にはそういった雰囲気のものがないわけではないし、実際濡れ場は非常に多く出てくるような書き手ではあるのだが、それは今までほぼすべて、陰惨さこそ放っていたものの、キャラクターそのものが持つなまめかしさというのを前面に押し出されてこない描写にとどまっていた。それがどうだろう、この作品は全然違うのである。主人公となる2人の少年の匂い立つような色気が小説内の文体全てに影響しているのではないかと思うくらい、とてつもなくエロティックで、読んでいてくらくらした。それだけ、氏は主人公の少年たちを特別にしたかったのではないか、と邪推したくなるほどで、だからこそこの作品は頭一つ抜け出ている。箱庭のような閉鎖性の強いファンタジーという枠だけでなく、あまぶんの仲にもジャンルのひとつとして確立されている「JUNE(異性愛でないもの)」としてこの作品を発表していることの意義がわかる。

 また、タイトルは直訳すれば「雨しかない」という意味で、これは本当にぼくの領域でのイメージとなるが、どことなく森博嗣の「ナ・バ・テア(None But Air)」(スカイ・クロラシリーズのひとつ)を連想させ、だからぼくはこの作品の愛称(略称?)を「ナバトレ」と呼んでいる。閑話休題

 物語の軸となっている「雨」は、少年たちの象徴でもあり、「地上にあるものを洗い流すもの」、「音を立てて空間を隔てるもの」、そして「やがては消えてしまうもの」という隠喩(引喩というのだろうか)が非常に利いているのが本当に美しい。この構造の美しさが、ぼくが咲祈氏を師匠と呼んでいる理由の一端であり、美しい構造の物語を書いていきたいとずっと思い続けてきている。

 「ファントム・パラノイア」と共にお勧めする作品である。また、文フリ東京23シーズンに続き2度目の首位という前代未聞の記録を打ち立てているのだが、これを読んでもらえれば、それは納得していただけるのではないかとも思う。

 

 以上、激戦のあまぶんシーズン、首位を飾ったのはここまでの歴代首位をキープしていた咲祈氏だった。予定調和で出来すぎているくらいが人間なのかもしれない。